手帳の湖

手帳にまつわる自省録

原点回帰

手帳を選ぶにあたって、”手帳に求める条件”というものがある。といっても(過去にも書いたりしたけど)少しづつ内容はアップデートされてはいくが、大きくは変わらない。”いつも持ち歩いて書きたい時にすぐ書けること”。一言でまとめるとこんな感じ。条件と書くとおおげさだけれど、シンプルで奥深い条件だ。持ち歩くために手帳は小型がよいし、書きたい時に書けるようにいつも触っていたい、楽しく持ち歩きたいお気に入りの手帳にしたい。書いて忘れて見て思い出して行動に移す、といったリズムを持って日々を過ごせるよう、手帳は肌身離さず持っていたい。基本的にはこんなシンプルな考えに集約されるのが僕の手帳への考え方だ。

だがしかし、手帳好きの宿命として、こういった条件に当てはまる数多くの手帳の中から最善と思われる手帳を選ぶべく、いろいろな手帳を試したくなる。所有したくなる。使ってみたくなるのだ。その中から最高の一品を探して見つけるためにという名目でありとあらゆる手帳に手を出してしまう。そんな手帳病を患うと大変なのだ。

そういったことを繰り返していく中でここ数年は小型のシステム手帳を好んで使うようになってきた。元々は小型のウィークリーバーチカル綴じ手帳(&月間ブロック)が最も好きな手帳で、たとえばクオバディスのビジネス、もしくは英国のレッツみたいなタイプのものを割と好んで使っていた。

そして今年回りに周って綴じ手帳のウィークリーバーチカル&月間ブロックであるフランクリンプランナーのリフィルを纏ったエルメスのヴィジョン。つまり僕にとっては手帳の原点回帰と言えるかもしれない、メイン手帳の変更なのだ。超小型のPMとセットで使えばかなりやりたいことが網羅できてしまう。システム手帳にも綴じ手帳にも一長一短があるのでどっちがベストと言いにくいけれど、1年ぐらい綴じ手帳に気持ちが揺れていてようやく戻ってきた感じだ。ただSD手帳も使いたいなと思いつつなので戻る可能性は否めない。

でも、過去いくつか使ってきた中で”もう一生この手帳でいいかもしれない”と心底思った手帳は(いや、手帳というより手帳カバーかな)はおそらく初めてかもしれない。SD手帳もその全体システムに惚れ込んで使っているので生涯添い遂げる手帳になりそうな予感があったが、今使い始めたエルメスのヴィジョンのポーク(ピッグスキン)はそれ以上の気に入りようだ。エルメスというブランドを持つ満足感のなせる技かもしれないけれど、おそらく長期間使い倒せるであろう恐ろしく品質の高い革手帳カバーはずっと触っていられるほど手にすっかり馴染んでいて、ずっと手にしていたくなる。

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経験上、添い遂げたいと思える手帳が現れてもだいたいそういったことにはならないので、冷静に自分自身を見つめて追いかけたいと思うが、当たり前だけどいい手帳だぞ、エルメスヴィジョン。